なぜCMにPerfumeを起用したのか、サンエーの財務諸表から分析してみる
Perfumeのファン同士や、NATURAL BEAUTY BASICファンのやりとりをみて「好き・嫌い」の感情論になっているので、NATURAL BEAUTY BASICの販売元である、株式会社サンエーインターナショナルの財務諸表、決算状況から、なぜPerfumeをCMに起用したのかを分析してみる。
1.サンエーインターナショナルの決算状況
2009年8月期、つまりは2008年9月から2009年の8月末までの決算を見てみる。
売上高が前年比7%減、営業利益が99.3%減とほぼ営業利益が残らず、結果経常利益はマイナスとなっている。(経常損益は5億、さらに有価証券の特損があり、純損出が36億。)
サンエーはオリジナルブランドの売上を全体の7割を占めており、売上が低迷すると、そのまま経営に反映される。
売上低迷の理由としては、長引く不況と、海外のファストファッションの日本進出を理由としている。
2.「NATURAL BEAUTY BASIC」の位置づけ
オリジナルブランドが売上の7割を占めているが、中でも「NATURAL BEAUTY BASIC」は主力商品で、売上の13%を占めてる。
しかしながら、売上の低迷は続いており、3期連続前年割れをしている。
平成19年度8月期 | 平成20年度8月期 | 平成21年度8月期 | |
売上高全体 | 117.837 | 120,260 | 111,817 |
うちナチュラルビューティーベーシック売上高 | 18,161 | 17,380 | 14,651 |
売上高全体に占める割合(%) | 15.4 | 14.5 | 13.1 |
(単位:百万円)
以上のことをまとめると、
- 長引く不況、ファストファッションのブーム等で売上が低迷した
- 特にオリジナルブランドが苦戦、中でもNATURAL BEAUTY BASICは主力でありながらも3期連続前年割れ
であり、NATURAL BEAUTY BASICの復活がサンエーインターナショナルの復活でもあるかと考えられる。
既存ブランドのてこ入れはそう難しくない。すでに店舗というインフラがあり、ある程度の顧客もかかえてるため、新規にブランドを作るよりも時間的なコストを抑えられる。
ただし、既存顧客を中心に考えると、客単価を上げなければ売上高があがらない。短期的なOFFセールを行っても、原価は変わらず、利益は望めない。
となると、新規顧客を獲得し、来店を促せば良いだろう。
TV離れがあるといわれても、まだまだTVの影響は大きい。CMの効果がどのくらい出たのか、3月の月次を楽しみにしたい。
http://www.sanei.net/ir/tsuki.php
<ご参考>
■[Perfume] Perfume × Natural Beauty Basic
http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20100310/p1